神道においての手合わせについて
前回の【あたりまえの心】の中でお話した
仏教においての合掌について
少しふれさせていただきました。
”合掌は右手が仏さま、
左手が 私たち生きている世界の俗世 。
仏と衆生が一体になることを 表しています”
というもの。
今回は、
神道においてのお手合わせについての
お話です。
神社の本殿の向きって、
ほとんどが南向き。
西や北向きの神社って殆どないのだとか。
その理由は
1つに
太古の時代は社殿はなく、
神や精霊が降り立つであろう岩の上に
鏡を置いて反射した光をご神とし
ご神体として崇めていたそうです。
太陽の光すなわち、
太陽神である天照大神となるわけですから、
光は強く、長い時間光があった方がいいってわけ。
するとその方角は、南。
だから、神社は南向き。
もう一つ。
「君子南面す」という言葉があります。
君子(高貴な存在、指導的立場にある人)は、
北に位置して、南を向くという意味です。
君子に仕える者は向かい合うわけなので
北側を向くことになります。
神様は南むき、
つまり南を向くと、
東が左、西が右になります。
東は太陽が昇る方位で、
日が足りるから 「日足り=ひだり」
西は太陽が沈む方位で、
水が極まるから 「水極り=みぎり」
というのが左と右の語源。
「日」は「火」とも表し、
「火」と「水」で 「火水=カミ=神」
となります。
したがって、
火を表す左手と、水を表す右手を合わせて、
合掌することは、
神を表すことになるのです。
胸の前で合掌するということは
【神と共に。。】
ということ。
また、
陽の「火」と陰の「水」を合わせることは、
陰陽の統合。
男性性と女性性の統合を表します。
神前で手を合わせるときは、
水よりも火が上になるように、
左手に対して右手を少し下にずらして、
拍手をした後、両手をそろえて拝みます。
そして、
合掌した手の「火」と「水」の間に、
息を吹き込むことで「風」を起こすと、
「火風水=ひふみ」となります。
単なる数え歌だと思っていましたが
「ひ・ふ・み・よ・・・」というのは、
「ひふみ祝詞」というもの。
元々は神様に捧げるものなのだそうです。
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ひふみ よいむなや こともちろらね
しきる ゆゐつわぬ そをたはくめか
うおえ にさりへて のますあせゑほれけ(ん)
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宇宙に存在する全ての生物、神羅万象は
恩顧により生を受けるものである。
この日常は日の神、月の神の慈しみの上にある。
日、月の神は
人間の死や苦しみ老いや病を
癒してくださる
耕地は豊かに、海の恵みも豊かに
老いも若きも皆
朗らかに働き
日、月の神と調和することで
飢えることなくいられるでしょう。
朝日を浴び
日を受け汗を流し
日没とともに眠りにつく
これぞ生の喜び。
常に
日の神、月の神を感じ
祈り、感謝しましょう。
ザックリと、、
という意味みたいです。
昔の日本人は
この歌を歌いながら
畑を耕し
田んぼに苗を植え
心豊かに生きていたのでしょうね。
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